FERMER

活動内容

IEOM(Institut d’emission d’Outre-mer/海外通貨発行機関)は、パリに本部を置く国立の公益法人です。フランス政府によって 1966年 12 月に設立され、太平洋のフランス領において統一通貨を発行する権限を与えられました。

IEOM はフランス本土の本部の他に、ニューカレドニア、フランス領ポリネシア、ウォリス・フトゥナでも活動しています。またその管轄権は、フランス領南方諸島にも及んでいます。

IEOM は外貨準備を除き中央銀行が提供するあらゆるサービスを提供しています。IEOMの活動内容は、次の5つに大別されます。
通貨の発行 経済、財政、統計データの提供
金融システムの監視 通貨政策の実施
銀行業界、法人、個人及び公共機関に対する中央銀行業務の提供

通貨の発行

IEOM は領土内での法定通貨である CFP フラン(国際コード : XPF)という通貨を発行しています。この CFP フランの兌換性はフランス政府によって保証されており、兌換率はユーロとの固定平価に基づいています。
1,000 CFP フラン = 8.38 ユーロ
または 1 CFP フラン = 0.00838 ユーロ
具体的には、 CFP フランの紙幣と硬貨を発行しています。紙幣の額面は 10,000、5,000、1,000 及び 500CFP フラン、硬貨の額面は 100、50、20、10、5、2 及び 1CFP フランとなっています。また中央銀行として紙幣と硬貨の流通量と質を管理しています。

金融システムの監視

IEOM は、国の監督と「CECEI」、「CRBF」や「Commission Bancaire(銀行委員会)」といった規制機構との協力のもと、金融システムの安定と預貯金の保護に貢献しています

通貨政策の実施

IEOM の金融政策では、主要経済部門に属する健全な企業に対して、短中期の銀行からの借入を低金利で再投資する方針が採られています。
通貨政策は、海外領土の特殊性とともにグローバル化への過敏性を考慮に入れた上で、IEOM の理事会が決定します。

経済、財政、統計データの提供

IEOM は主要経済部門と主要経済指標を調査・研究し、経済月報や経済季報で成果を公表しています。
さらに、IEOM は各海外領土の経済・財政状況を分析した年報も発行しています。年報では、フランス銀行の協力のもとに、ニューカレドニアとフランス領ポリネシアの国際収支を作成しています。

銀行業界、法人、個人及び公共機関に対する中央銀行業務の提供

IEOM は海外領土とフランス本国において、企業の評定、財務表データベース、銀行間の振替、未払い小切手データベース、企業リスク情報データベースから官民の資金の移転にいたる、中央銀行としてのサービスを、銀行、企業、個人及び公共機関に対して提供しています。